VBAのコードで複雑な計算処理を行う場合は「関数」を利用します。関数には「VBA関数」と「ワークシート関数」の２種類が存在します。VBA関数は約130種類存在します。ワークシート関数は、約330種類存在しますが、そのうちVBAで使用出来るワークシート関数は約170種類です。従って、VBA関数では出来ない計算でも、ワークシート関数を使用して処理出来る場合があります。
�@ワークシート関数
　エクセルに元々用意されている関数で任意のセルで利用することが出来ます。ＶＢＡ内で利用することが出来るものもあります。
　　例）Sum関数／Average関数／Vlookup関数等
�AＶＢＡ関数
　エクセルに元々用意されている関数で、ＶＢＡで利用することが出来ます。
　　例）Format関数／DateSerial関数／InputBox関数等
�Bユーザー定義関数
　エクセルに元々用意されておらず、ユーザーが自ら作成した関数。
　ユーザー定義関数の用途は、大きく２種類あります。
　用途1：作成したユーザー定義関数は、ワークシート関数と同じ使い方が出来ます。

ここではSUM関数を利用して合計金額を表示していますが、ユーザー定義関数も、このSUM関数と同じような使い方をします。
用途2：作成したユーザー定義関数を、共通ルーチンとして使用します。実際にVBAを活用してシステム構築すると、記述するプログラムの規模が大きくなり、その中で同じような処理を何度も記述する破目になる場合があります。そんな時に、共通となるユーザー定義関数を作成しておいて、その関数を複数の箇所から呼び出して利用する！といったテクニックを使用します。

ワークシート上のセルから何らかの情報を受け取って処理を行う場合は、引数を利用します。
以下のサンプルを参照して引数を利用するイメージを掴んで下さい。
・「手数料計算」という名称のユーザー定義関数を例に、引数の利用方法を解説します。
「手数料計算」関数は、株式数と株価を元に手数料を算出します。
この場合の手数料は、株式数×株価×0.008で求めることにします。
・ワークシートでの「手数料計算」関数使用例
下記のプログラムをエディタ画面で記述後、作成した関数をワークシート上で使用する場合。

上の場合のA2とB2部分が引数です。このように引数が複数ある場合は「,」カンマで区切ります。
引数にA2と記述すると実際は、10という数値が関数に渡ります。
引数に B2と記述すると実際には、120000という数値が関数に渡ります。
上記の「〜が関数に渡ります」という箇所が重要です。引数とは、関数に情報を受け渡す際の橋渡し役を行ないます。
一般的には、セルの内容を引数にする場合が多い筈です。
ワークシート関数のIFやVLOOKUP関数を使用する際もいくつかの引数を渡した筈です。
IFやVLOOKUP関数を作成した人が引数を貰って処理をするように関数を作成しているので、その関数の仕様に合わせた使い方をしなければなりませんでしたよね。
関数を作成する側と利用する側とで意思の疎通が出来ていないと上手く結果を導き出すことが出来ません。

引数の名称はユーザーが自由に命名します。
株式数（10）を「株式数だよ」という引数名称で受け取っています。
株価（120000）を「株価です」という引数名称で受け取っています。

ロジック（プログラム）内では以下の様に扱われます。
株式数だよ、と記述すると実際は10という数字として扱われる。
株価です、と記述すると実際は120000という数字として扱われる。

手数料計算 = セルに出力する答え

このように「=」の左側に関数名称　右側に「セルに出力する答え」
を記述します。※「=」は右辺から左辺へ値を代入する時に使用する記号です。
右辺に記述している答え（値）を左辺の関数名に代入することにより、セル上にその値が表示されます。

上記の表の場合は、10×120000×0.008 = 9600が答えとして返ります。
※ロジックとは、ＶＢＡの規約に基づいて記述されたプログラムのことです。